BLOG ブログ

ペット保険をどうしましょう

新型コロナウィルス感染が拡大しています。皆様におかれましてはどうぞお体にお気をつけてお過ごしください。家にいる時間が長いとテレビを観る機会も増えます。感染症がまん延しているからか、保険のCMが目につきます。 

 私は行政書士の他に猫さん専門のペットシッターもやっていることもあり、ペット保険について「入った方がいいのか。」「おすすめのペット保険は何か。」という質問を受ける機会が良くあります。その人に必要な保険は人それぞれ(ペットそれぞれ?)なので、一般論をお伝えしてもあまり参考にならないと思いますがペット保険について思うことをつらつらつづってみます。

私のうちには猫が3匹います。全猫ペット保険には入っていません。その代わり猫の医療費は別会計で取っておくようにしています。それから猫の医療費は支出の中で最優先するというルールを自分の中で決めているので、具合が悪いと思ったら躊躇なく動物病院へ猫を担ぎこみ、「どうします?」と獣医さんに言われた検査や処置は積極的にやってもらっています。猫とってははなはだ迷惑な飼い主です。また、3匹のうちの1匹は病気の猫を引き取ったため(ブリーダーさんから有償で引き取りました。うっかり見に行ったらうっかり目が合ってしまいまして。もう、仕方ないですね。)その猫は保険に入れないという事情もあります。そんな人間の意見ですので必ずお役に立つかどうかわかりませんが、何かの参考にしていただければ幸いです。

ペットに対する考え方は人それぞれです。どんな意見が正しくてどんな意見が間違っているのかなんて誰にも決めることはできません。ペットにとって一番いいのは、その子を世の中で一番大事に思ってくれている家族が一生懸命考えてくれた結果の決断です。それ以上のものはありません。

「ペット保険に入った方がいいか。」に対する答えですが、質問に質問で返させていただきます。

ペット保険に入った方が良いかどうか悩まれている方に質問です。

①あなたはお金がかかってしまうことを理由に治療をあきらめる可能性がありますか?

②そしてそのことを後悔すると思いますか?

両方ともYESであるなら、ペット保険への加入を検討されることをお勧めします。

私の飼い猫の1匹は悪性リンパ腫で治療を行っている真っ只中です。(引き取った時に病気だった猫とは別の子です。)これがまた、やたらとお金がかかる。UM-Wプロトコルというウィスコンシン大学で開発された25週間の抗がん剤投与の治療プロトコルを続けてきました。いったんは血液検査の数値もすべて正常、腫瘍もレントゲンや超音波検査で見られなくなるなど経過は順調だったのですが、12週目で別の臓器に腫瘍ができてしまいプロトコルは中断、別の抗がん剤治療に移りました。それも効果なくその治療も中断、UM-Wプロトコルで最も効果のあった抗がん剤を投与してがん細胞を抑えながら現状維持をしているところです。いつかはその抗がん剤が効かなくなるときが来るらしく、そうなると打つ手はなくなります。治療を始めて半年が過ぎましたが、たぶん治療費はすでに60万円を超えていると思います。その他に体調を維持するための療法食(普通のご飯より高いんですよー)を買ったり、いつもは与えないおやつをあげたりしています。通っている動物病院の動物看護士さんと世間話をした際、治療費が出せないと泣く泣く治療をあきらめる飼い主さんもいらっしゃるとのことでした。そりゃあ、そうでしょう。なにしろ高いです。なんで猫に?おかしいんじゃないの?なんて人から言われることも。しかもネットであちこちのサイトを訪れて調べたところ、抗がん剤治療による寛解率は70%、しかし1年後生存率は30%、2年後生存率は10%とけっこう絶望的な数値が出ていました。うちの猫は25週のプロトコルを最後まで走り切れなかったのでなおさら絶望的。現在はがんを治療するというより、QOL(クオリティ オブ ライフ)を維持するための抗がん剤投与です。幸いにも副作用が出ていないので続けています。副作用が出たらやめようと思っていますが、もうこのあたりになると個人の考え方なので参考にしないでください。

ペットの治療費は高額になることもあります。何が何でもできる限りの治療をしたい!でも治療費が準備できるか不安だ…というなら、保険の加入は意味があるのではないでしょうか。治療費は貯金で準備するという方は貯金で十分です。

治療についても、病気になったら自然に任せたい、どんな治療でも副作用が出る場合もあるから頑張らせて苦しませたくないという考え方もあります。事実、がんに罹患した猫さんで手術や抗がん剤などの積極治療をせずに穏やかに日々を過ごし、最後まで凛として静かに息を引き取った例を知っています。

ペットが病気になったとき飼い主としてどうするだろう、そのための備えをどういう方法でしておけば安心だろうということを考えていただければ結論が出るのではないでしょうか。結論がどんな内容でも、真剣に考えてもらえるペットさんはそれだけで幸せですね。

次は「保険に入るならどんな保険がいいか」ですね。

現在は様々なペット保険があります。それらを簡単に比較できるサイトもあります。どの保険がおすすめかはペットの種類や年齢、その方の考え方によっても違ってくるため、簡単には決められません。(だから皆さん迷われるのですが。)

ただ、個人的な意見として、通院保証はあった方が良いと思います。なにしろうちの猫の悪性リンパ腫の治療はすべて通院です。入院保障だけなら全く保険料が支払われません!!(私は加入していないからどちらにしても自費ですけど。)

保険金額が治療費の100%という保険もありますが、多くは50%または70%です。自費負担が3割から5割発生するのが一般的なようです。自費負担が少ない方が当然保険料は高くなりますので割合をどうするかもその方の考え方次第です。

保険期間は1年間で、1年ごとに保険料が上がるようです。上がり方も保険会社によってまちまちです。10歳や12歳を超えると保険料が据え置きになる保険もあれば、終生上がり続ける保険もあります。ペットの平均寿命(犬は犬種によります。猫は16歳)で試算して総支払額を出すと検討しやすいです。

そして注意していただきたいのが上限設定です。通院保証は1日の、入院保障は1回の上限金額が決められている場合が多いです。通院の場合は保険が支払われるのは1日1万円まで…などとする制限です。また、通院は日数の、入院は回数の上限があるものも多いようです。

例えばうちの猫の治療に保険を適用したとすると、通院保証の上限が1日1万円、日数が20日までとなっていた場合、1回の抗がん剤投与と各種検査で3万円かかっても(かかるんですよ!)保険は1万円しかおりません。そして通い続けて半年になりますが、通院日数が20を超えたら21回目の通院からは全額自費負担となります。

また、保証開始までの待期期間が設定されている保険もあります。30日の待期期間が設けられているものが多いようです。がんの場合は30日から120日までと幅がありました。待期期間が長いとその期間中に亡くなってしまうケースも考えられます。

ところでどんな病気で病院にかかるかですが、犬さんは皮膚病、外耳炎での通院が多いようです。猫さんが動物病院に行く原因でよく聞くのは下痢や下部尿路疾患(膀胱炎、尿路結石、尿道閉塞など)と慢性腎不全でしょうか。手術で多いのはどちらも誤飲のようです。

皮膚病、外耳炎、下痢、下部尿路疾患や慢性腎不全など、通常は通院治療です。せっかく保険に入るなら、やはり通院保証は必要かな…と個人的には思います。自分で加入するなら、その保険に設定されている待期期間との兼ね合いもありますが(経験上、1か月も症状が続かない病気も多く、待期期間中に通院が終了してしまう)通院保証はつけると思います。

最後に。犬さんの場合はあまり問題になりませんが、猫さんの場合はそもそも通院を断固拒否する子が結構います。興奮して怒りまくる、暴れまくる、捕獲できないなど、あまりの拒否っぷりに通院を断念している飼い主さんの話もよく聞きます。こういうキャラクターの猫さんの場合は保険に加入してもむだになっちゃいますよね。ただ、あまりにも病院嫌いの猫が多いせいなのか、最近では往診をしてくださる獣医さんも増えたようです。それでもやはり、獣医さんに診てもらう機会は少なさそうです。この辺りも検討すべき点ですね。

うちの猫?うちの猫たちは私がキャリーを出すと、全猫その場で待機!!です。通院はそれほど苦痛でないばかりか「オレだけ飼い主とお出かけ♪」と思っている節もあり・・・。多頭飼いをしていると変なところで張り合うのです。なんだか憐れですけどこちらは助かってます。